バー・アグレアブル
夜な夜な賑わう鰻谷の路面店ながら、ミナミの賑わいを遮断するように立つ厳然とした木製の扉。扉越しにも、外の喧騒とはかけ離れた規律ある空気が伝わってきます。勇気を持って扉を開けると、2枚の分厚い木製カウンターと無数のボトルが並ぶ棚が、真っすぐに伸びています。優しく落ち着いた空気に包まれて―。
「店にあるお酒を全て見てもらいたい」というオーナーの想い通り、店内の四囲ほとんどがボトルの棚になっています。本格的なシングルモルトから馴染みが深いリキュールまで、一つ一つのボトルに見守られているようであり、対峙されているようです。その一角に佇む、趣あるオールドボトルの集まりがこう囁きます。「古き良き思い出に浸りませんか」と・・。勿論、何にも縛られずに無邪気な気持ちで、旬のフルーツを使ったカクテルに心を弾ませてもかまいません。
アグレアブルとは、フランス語で“快い”という意味。飲み手との距離感を大切にするオーナーが、ジャズの名曲と美酒で情緒ある夜に導いてくれるでしょう。